先週は土日月と3連休をいただいて横浜の国際歯科学会に行ってきました。
これは4年に1回行われる大きな歯科学会で、世界中の著名な先生が集まり、たくさんの会場でいろいろな講演を聞くことができるのです。
同時に日本最大規模のデンタルショー(歯科の器材や材料の展示、即売会)があり、最先端の器具、機材をみることもできます。
今、インプラントの世界で一番の話題はソケットシールドテクニックといって、インプラント周囲の歯槽骨を温存するために、本来は抜歯しなくてはならない歯の一部を残して、インプラントを埋入するテクニックなのですが、正直言って私は今のところこの治療法にあまり乗り気ではありません。
数年前に海外で文献が出され、それに従って日本の著名な先生方が競うようにその治療を行い、いい結果が出ているとの報告がたくさん出ていましたが、周囲の歯槽骨を温存するためとはいえ異物を残した状態でインプラントを埋入することがはたしていいことなのか、埋入したインプラントと残した歯根の間には本当に骨ができているのか、なんだか今ひとつ納得できないのです。
文献(エビデンス)は確かに重要であり、必要なものでありますが、有名な雑誌に載っていたからとか、有名な先生が言っていたからとか、そういうことよりも、最終的には自分がその治療を納得できて、自信をもって患者さんに提供できるかが一番重要であると考えています。ソケットシールドテクニックの臨床応用に関してはもう少し勉強して、世間の情勢もじっくり見てから最終的に判断したいと思っています。
私にとっていい医療とは開発された新しい機材や技術、材料にすぐ飛びつくのではなく、十分に自分の中で吟味し、自分の考えや信念の元でいいと思うものを提供することだと思っています。
ご理解いただければ幸いです。
他にもいろいろ勉強してきましたが、せっかくの横浜でしたのでスタッフと一緒においしい中華料理も堪能してきました。
横浜中華街では「萬珍楼」という有名な芸能人もよく来るというお店に行ってみたのですが、何を食べても本当においしく、大満足でした。
歩き回って疲れましたが充実した連休でした。
学んだ知識を明日からの臨床に生かすように頑張りたいと思います。